彼女の話

特別でなければならない彼女と何もない自分

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この日彼女はシャルドネを飲んでいた。
普段ならほとんど飲まない。
彼女は白ならピノグリが好きだからだ。

良く冷えたシャルドネは思いのほかおいしかった。
彼女は突然ひどく安堵した自分にきづいた。
それは一日を終えてほっと一息つけたお酒というよりも
これもいいのだと開きをおぼえた瞬間だった。

本当にすべてが少しずつだ。
僕らは生物学的に心理的に社会的にそして自分的に
どれほどのことを刷り込んで刷り込まれて生きているだろう。
そしてそれらにどれだけ支えられて生きているだろう。
多くの必然。
なぜそうでなければならなかったか?

齢じゃない。
時間を経て気づいていく。

僕らはみんな
それぞれに割り当てられた、ひび割れた一筋のアスファルトの上を歩いている。
多くが割れた歩道を歩いてそれが急に裂けるだなんて考えない。
でもそれぞれは確実に溝になっている。
それでも避けるなんて信じずに生きている。

彼女はぽっくり空いた足元の隙間に目を落とそうとしている。





-彼女の話

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