彼女の話

どきどきする

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彼女はときどき動悸がする。

甲状腺に軽い疾患があるためそのせいかもしれない。

一度始まると立ち上がるだけで息が上がるようになってしまうため

できればおさまるまで深くゆっくり深呼吸しながら横になっているのがベストだ。

 

どうしてもやらなければならないことがあって無理をして動いていると、どんどん頭が重たくなってくる。

手にも力が入らなくなり、瞼が目玉を半分以上覆うようになる。

頭を抱えたり、両手で顔をくしゃくしゃにこするような仕草をする。

目をこすったり、口を頬ごと大きく覆ったりする。

喉の奥を掴まれて下に引っ張られるような感覚になり顎が落ち込んでいく。

そして急速に強烈な眠気に襲われどちらにしても視界を黒くして横になることになる。

 

少量のアルコールでおさまるときもあり、100ml程度のグラスにワインを注ぐ。

 

(ペルソナを被っているとあまり動悸が起こることはないのだが)

職場や外出先ではその気配があるといつもバッグに常備してある小さな錠剤を飲む。

飲むとひどく眠たくなってしまう。

 

どきどきするたびに彼女は真っ黒に薄れていく意識の中で

「いったい何から逃げ続けているのだろう」といつも漠然と思う。

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