彼女の話

痛み

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彼女は痛がりだ。
彼女はそんなことない、ほんとに痛いのだと神妙に言うのだが、
ちょっと大げさなような気もする、と時々思う。


たとえばマッサージに行ったとき、痛かったらいってくださいね、と言われたので
痛い、というと、『え、これでですか?!』と驚かれ、
『ほとんど力入れていないんですけど・・・』と困らせてしまった。
本人はもうどこを押されても痛かったのだが言い出せなくなってしまい、
その次の日は揉み返しに苦しんだ。


整形外科にかかったとき、電気治療を施術されここでも参った。
ほとんど電流も流れていないような状態で痛がるので、
『もう少し頑張れますか、このレベルだと効果全然ないので』と言われ、
「これ以上ビリビリされたら火傷しちゃうよ・・・」と断念した。



片頭痛持ちで知覚過敏、慢性腱鞘炎でお腹はいつもピーピー気味。
親しくない人たちの前ではどんなにつらくても絶対に言わない彼女なのだが、
ことNや僕には「頭が痛い」だの「歯が痛い」だの「指が痛い」だの
しょっちゅう言っているのである。
まったくそんなにいつもどこそこ痛くて
一体どうやってそれらと折り合いをつけながら日々を過ごしているのだろうと思う。

-彼女の話

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