彼女の話

彼女がつくり、守ってきたもの

投稿日:2016年12月18日 更新日:

彼女はときどき放心している。
急に頭が重たくなってひどく眠たくなって頭を床に打ち付けるように倒れこむ。

目が覚めたとき、まるで眠っている間に誰かが頭に鉛を詰め込んでいったかのように
さらに重たくなっているときがある。
そんな時は彼女の長く真っ黒い髪の毛も全部鉄の鎖になって頭皮を突き抜け鉛に結合し
とてつもない重量になってしまっている。

そんなことになってしまった頭をもちあげることは容易ではない。
下半身の体勢を整えてなんとか土下座の姿勢にはもっていくが、
それから頭だけがあがらない。

なんでこんなことになってしまったのか、彼女は泣きながらどうにかして顔をあげようとする。
腕でしっかり支えておかないと、首がくしゃんと折れてしまう。

「誰か」

彼女はどんなに具合が悪くても人前でそれを決して見せない。
泣くこともない。
いてほしい時にいてほしい人がいないこと。
それが自分がつくり守ってきたものだと、こんなとき彼女は気づく。

頭が持ち上がった瞬間、鉛が頭蓋骨にあたってゴトンと響く。
それはボーリングの球が床に滑り落ちた時の音に少し似ている。

彼女がつくり、守ってきたもの

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