彼女の話

6月

投稿日:

彼女は城のベランダの手すりに体をもたせかけて
向かいの川沿いに生え茂る草や木々を見つめていた。

眩しかった。
冴え渉る空の青に木々の緑が風の勢いを借りて下から覆いかぶさろうとしていた。
そしてそれは太陽よりも眩しかった。

入道雲の赤ちゃんみたいなのが空の所々に気まぐれに現れていた。
室内から空だけを見ていると、夏!と主張していたかに思えたが、
外に出てみると風は冷たく、梅雨時期とは思えないほど空気はサッパリしていた。

ふと振り返ると洗濯物が幸せそうに揺れている。

彼女は「あぁ、すごくいいなぁ」と目をとじた。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

腱鞘炎

彼女は最近線を描く。 あまりたくさんの点がかけなくなってしまったからだ。 会う医者や治療者によって腱鞘炎だと言われたり手根症候群だと言われたり色々だが、 とにかく昔から彼女は手をよくやられる。 腱鞘炎 …

noimage

彼女はそんなふうにできている

彼女は自分は風邪をひかないと思っている。 はっきり言って彼女がそう妄信する根拠は何もないのだが、 強いて言えば彼女の体温が高い、ということはあるかもしれない。 37度ある日もざらで、 検診などで毎度微 …

noimage

ベストアルバム for her

「ベタか笑」 Ben Folds Rockin’ the suburbs

noimage

紙と食器と重力と

自分は疲れてばかりだな、とある時彼女は思った。 真夜中にふと目を覚ました時、うっすらと瞳を開けてゆらゆらと瞳を浮遊させながら思った。 「やることは山ほどあるのに、ただの一つも済んでいかない」 部屋の中 …

noimage

意識する彼女

彼女は気性が激しい。 それは彼女がなかなか人と親しくならない理由の一つでもある。泥の下でプスプスとグラついている熱情が火柱を上げて瞬発的に顕現するのを恐れている。そうやって自分が傷つけてきた人たちを彼 …

noimage

2020/03/17

意味

noimage

2020/01/31

メロディの輪郭

noimage

2020/01/29

真くろの向こう

記事内の彼女の絵や写真。
2020年5月
« 3月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
This error message is only visible to WordPress admins

Error: No connected account.

Please go to the Instagram Feed settings page to connect an account.

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ