彼女の話

イニシャルドリーム2

投稿日:

彼女は訪れたこともない外国にいた。
見慣れない家の、親しみのない玄関で、
強引に押し入ってこようとする数人の異邦人を何とか入れまいと
ドアノブを握りしめていた。
彼らは全員男性だった。


いやだ、こわい、と恐れる一方で、
彼女はどこかその状況を楽しんでいた。
少し笑みさえ零したような記憶すらある。



目覚めたとき、彼女は怖い夢をみたなぁと思いながら
すんなり体を持ち上げた。
彼女の目覚めにはつきものの、吐き気や頭痛や倦怠感などの不快感はなかった。



彼女が父親の死を知ったのはその数日前か数日後だった。
その時はすでに彼が死んでひと月が経とうとしていた。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

”変わる”ということは何かを”失くす”ということ

”変わる”ということは何かを”失くす”ということ。

”変わる”ということは何か”失くす”ということだ。 ある人たちにとっては当然かもしれないその事実に彼女はようやく気付きかけている。 彼女は変わるということについてほとんど意識すらしていなかった。 ただ …

noimage

必然想起

ただだらりんと生活していてもふと必然に気づくことがある。 その度に僕らは意味のないことなんてないのかもと気付いたりする。 彼女には時折ぽん、と突拍子もなく思い出される記憶とか感覚とかいうものがあって、 …

今ここ

今ここ

彼女が引越しをした。 久しぶりに行ってみたら人がいない物件にかけられる例の水道局の袋がドアノブにひっかかっていた。 水滴に目とか鼻とか乗っけてある、よくあるあのイラストがゆらゆら風に揺さぶられていた。 …

noimage

検診

彼女は最近定期健診を受けた。 結果はおよそなんの病気にもなりそうにないカラダだということが分かった。 よかったよかった。 受けたのはエコーと心電図と血液検査だった。 エコーには相変わらず腫れた甲状腺と …

noimage

不幸自慢

彼女は前向きな人間だ。 僕が書いている彼女は人にどう映るだろう。 不幸だろうか。 ネチズンは彼女をメンヘラ認定するかもしれない。 彼女が精神をやられて不幸自慢していると。 実際最近の世の中は不幸自慢が …

noimage

2020/03/17

意味

noimage

2020/01/31

メロディの輪郭

noimage

2020/01/29

真くろの向こう

記事内の彼女の絵や写真。
2020年5月
« 3月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
This error message is only visible to WordPress admins

Error: No connected account.

Please go to the Instagram Feed settings page to connect an account.

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ