彼女の話

非日常

投稿日:


彼女は橋の下に立っていた。
浩然と流れる川を見下ろしながら、
コンクリートの巨大な人工物に包まれ抱え込まれているような安心感。
橋の下はいつでも日常の中の非日常だ。

そこにはお決まりのストリートアートが散らばっている。
ストリートアートと呼ぶのかすら分からないが、
適当にスプレー缶を振って塗りたくっただけのものにも見える。
彼女はそれが嫌いじゃない。

それらを背に大きな橋柱を見つめていると、
だんだんと引き込まれるように視界が狭まってきて
そのコンクリートのグレーしか見えなくなってくる。
一瞬自分を見失うかのような錯覚に襲われる。

そんな時、風がふく。
目の前をジョギングするおじさんが走り去っていく。
カモのカップルがのんきに横切っていく。
ゴミや浮島が流れていく。
はっと現実に引き戻される。

彼女は橋の下には何か異世界だかの入り口でもあるのではないかと
半ば本気で考えている。
橋の下にはいつでも風が吹いている。
タイミングさえ合えば向こうを少し覗き込むことができるような、
かすかな風がいつでもスタンバイしている。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

”HSPは恋に落ちやすい” この”恋”は本当に恋だろうか。 彼女が恋をしているかもしれない。 しかもガチでリアルかもしれない。 もしそうなら、かなりしばらくぶりだ。 彼女の恋愛 …

彼女と花

彼女と花

彼女は花が好きじゃない。 唯一心を許せるのはかすみ草だと思われるが、実はそれもあまりよく接したことはない。 彼女は自分の城のベランダにプランターをいくつか置いていて、 ハーブの花が咲いたときはああ、咲 …

noimage

随時更新予定

欲求 回避依存 快晴 不信 恋 強くない体 良心 人 HSP 感情 ペルソナ LINE 信頼 疑問 頭痛 彼女を孤独にさせるもの。 彼女を彼女たらしめているもの。 随時更新予定。

noimage

ライフ

映画『LIFE!/ライフ(The Secret Life of Walter Mitty、2013)』の冒頭では HSPにはかなり耳障りな時計の秒針音がつづく。 最初の3分間にも満たないわずかな時間の …

朽ちかけの大木

彼女の写真: 朽ちかけの大木

彼女は写真を撮る。見るのも撮るのもマクロの写真が好きだ。 その中でも朽ちかけた木を特に愛する。 なぜかはよく分からない。   ちなみに彼女はカバやゾウも好きで、 朽ちかけた木の皮はそんな彼ら …

記事内の彼女の絵や写真。
2020年2月
« 1月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
242526272829  
This error message is only visible to WordPress admins

Error: No connected account.

Please go to the Instagram Feed settings page to connect an account.

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ