彼女の話

距離

投稿日:2017年2月19日 更新日:

「なぜ自分のものさしだけで私との距離を測るのか」
「ズカズカ入ってこようとするな、理解しようとなんてするな」
「気を遣ったようなフリをして、私のことを分かったような物言いはやめろ」


距離がとりにくい人というのはいる。
こんな人にあったとき、彼女は困ったような顔の仮面の裏で震えるほどの怒りを感じる。

「うっとうしんだ、消えてくれ」


彼女としばらく付き合っていれば自然と感じる、彼女がひいた境界線。
「ここから先は入ってくるな」
必要に応じて言葉に出して言うときもある。
大抵はその必要がないように、最初から人間関係は可能な限り削ぎ落す。


相手がいくら彼女のことを思っていたって、好きでいてくれたって、
ハッキリ言ってそんなことは関係ないのである。
彼女にとっては押し付けでしかない。
こちらの返答も待たず、こちらの考えを聞いてもいないくせに一方的に「正しそうなこと」を話す。
彼女にとってはそれがたとえ正しくたってあるべき姿だってそんなことは「どうでもいい」のだ。


彼女の問題はその距離感が自分と相手とでかなりの差異が生じてしまった場合、
恐ろしいほどの面倒くささでより一層、必要な人間関係をも閉じさせる原因となってしまう、ということなのだ。

-彼女の話

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