彼女の話

検診

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彼女は最近定期健診を受けた。
結果はおよそなんの病気にもなりそうにないカラダだということが分かった。
よかったよかった。


受けたのはエコーと心電図と血液検査だった。
エコーには相変わらず腫れた甲状腺といくつかの良性腫瘍が映っていた。
心電図では異常なく脈打っており、
採られた血液はいつもと同じようにどす黒かった。
彼女は自分の血を見るたびに血って黒いんだよな、と思う。


医師からは基準値よりも低血圧低血糖低脂質低たんぱく痩せすぎが伝えられたが、
彼女はそんなことよりも肝臓になんの異常もなく何よりだったと思った。
最近ダウンタイムのおかげで飲む時間まで増えているから少し恐れていた。


近頃の検査結果というのは大変分かりやすく絵やグラフ付きで書かれていて
素人でも自分の体について興味をもってよくよくみることができる。

それでも彼女はおびただしいカタカナやアルファベットや数字の羅列を眺めながら
体というのはよくできているのだなぁと自分の体を突然誇らしく思い、
頑張ってくれている体のためにお酒を少し控えることに思いを馳せ、
それから無性に赤い肉を食したくなったのだった。

-彼女の話

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