彼女の話

真くろの向こう

投稿日:


人の心がきこえたり、人に心を読まれてしまう。
そんなことをテーマにした作品は多い。
そんなことあるわけないと思いながら、
いつもあなたのそばにいる人が、そうかもしれない。

彼女は人を蔑む。
人を見下し、マウンティングして優位に立とうとする。
「自分はこの人より…」

彼女は自分はそんなに悪くない、と思って歩く。
「あんたらよりはいいはずだ」、と、そう思って。

彼女は思う。
「お前が言うな」
「死ねばいいのに」
「あああ、いらいらする、、、、」
「嫌いだ嫌いだきらいだ…!」

もし、
そんな自分の中身がさらけだされたなら。

だれかが
それを知ったなら。

そして、自分と同じ誰かを
感じられたなら。




彼女は子どもの頃から時たま”目がこわい”と言われてきた。
大人になると、周りは気を遣って言わない代わりに
目をそらすようになった。
”見透かされているような気になる”。
そのうち彼女は人と目を合わさなくなった。

彼女は人の心なんか読めない。
それでも僕も彼女に目を凝視される(本人はそのつもりはないのだが)
と少しおののいて、
視線を外したくなる。
彼女の瞳はまっくろだ。

誰か。
彼女の目を見つめ返すことができたなら。

彼女は人と目を合わさない。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

彼女のじんましん2

その後も彼女は突拍子もない痒みと肌のツッパリと腫れに襲われた。 時には顔だけでなく、首や鎖骨辺りまで赤くなることがあった。 ほとんどは夜だったが、出勤まえに起こるとすごく焦った。 彼女はキノコが大好き …

noimage

何もない日

朝早く起きられたということ。 シンとした空気に触れられたこと。 本を読めたこと。 朝食をいつもより多く食べられたこと。 日焼け止めをきちんと塗って外出したこと。 通勤ラッシュの中知らない誰かが車を止め …

noimage

(no title2)

彼女は最近ひどく不安定だ。 ゆらゆらしているのに、口は貝のようにしっかりと固く閉ざされている。 誰にでも憂鬱になるときはある。 僕はただ待つしかない。

noimage

バランスボールの中の小人

彼女は自分の中で何かが急速に変化していくのに気付き始めた。 まるでバランスボールの中にいつの間にか閉じ込められた小人みたいな自分。 どんなに抜け出そうともがいても、もがいた方向に転がるだけで突き破れな …

数字と中学生と彼女

数字と中学生と彼女

彼女は数字が大嫌いだ。 彼女は最近期末テストを間近に控えた中学生と話すことがあった。 この中学生の直近の問題は試験初日の数学だそうで彼女は気の毒で仕方がなかった。 聞けばこの子はもう数学教師がもはや日 …

noimage

2020/03/17

意味

noimage

2020/01/31

メロディの輪郭

noimage

2020/01/29

真くろの向こう

記事内の彼女の絵や写真。
2020年11月
« 3月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
This error message is only visible to WordPress admins

Error: No connected account.

Please go to the Instagram Feed settings page to connect an account.

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ