彼女の話

それ以来の戸惑いと逡巡と躊躇の葛藤のゆらゆら

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それ以来、彼女は自分の中に葛藤が生まれたことに気付いた。

そもそもトラブルが起こりうるような人間関係(親密になるなど)を作らないのが彼女だ。
これまでの彼女は万が一誰か何かとトラブルが起これば、
その問題は放ったらかしにするか、もうみんながすべてがそこで切れて終わりだ。
今回もそんな風に終わるかと思われた。


彼女は未だこの男と不適切な関係を続けている。
なぜ切れずに終わらないでいるのか。
この男を愛しているとかそういうことではないことは確認済みだ。
この男に何かを求めているわけでもない。


彼女の中には今ふたつの願望が葛藤しているのだ。
一つはこれまで通りすべてを終わらせてまた静かな自分だけの世界に戻りたい、という願望と。
そしてもう一つは、自分が何かを失くしてでも傷ついても誰かとつながっていたい、という願望と。
いやこの二つは願望というより欲望に近い。
ひとが誰でもみんな自然と持っている生きていくための欲望だ。

彼女は戸惑い、逡巡と躊躇を繰り返してこのふたつの心の間でゆらゆらしている。
今までにない欲望に、いやあったのだが気づかないようにしていたその感情が沸き上がった。
彼女は誰かと繋がっているとあたたかいということや安心するということを知った。


何か傷つくようなことが起こる前に元の世界に戻るか、
これをきっかけにもっとたくさんの「ぬくぬくしたもの」を探しに行こうか、
彼女はゆらゆらしながら下を向いて自分の足元を見ている。



それ以来の戸惑いと逡巡と躊躇の葛藤のゆらゆら

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