彼女の話

吐き出される夢

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しばらく会わない間に彼女は大量の夢をみていた。

彼女は夜でも昼でも眠る前や、ただ風を感じようと目を閉じた瞬間に
前夜にみた夢をふと思い出すことが多い。
正確には夢を思い出すというよりは、夢の雰囲気や夢の中の感情だ。
ああ、明るかったな。とか、ああ、とても悲しかったな、とか。
それを皮切りにぼろぼろぼろぼろ言葉が吐き出されてはこぼれていく。

この間僕が彼女に接触できなかったことは非常に残念だが、
幸い彼女は異常なほどに夢の詳細をおぼえていた。
もしくはスマホの音声メモで記録していた。
ハッキリ言ってそれらは少し気味が悪いほどに生生しかったのである。


彼女にはいくつかの出会いや別れがあったようだった。
それらの小さく大きな波線が見せた夢の意思とはなんだろう。

ショパンの別れの曲は「別れの曲なのにどこかいつも明るい」。
「だから好きだ」。



-彼女の話

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