彼女の話

「・・・卵かけご飯・・・」

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自分に向き合うってどういうことでしょうか。自分と徹底的に向き合うって何をするんでしょうか。

卵かけご飯みたいによく聞く言葉なのに自分で口に出すには何だか少し、いや、かなり少なくとも私には気恥ずかしい言葉に思えます。

大事なことも求めているものも、外にはないのです。どんなに文学を読み進めても、見えない糸をたどって検索を繰り返しても、
そこからわたしが提出されることは決してないのです。全部自分の中にあるのではと私は気付きつつあります。気付きつつはあるけれど、実感がないのです。

自分の中、を想像すると血や肉や内臓が想起されました。すべて私の中にあるものです。収縮を繰り返す腸やどくりどくり言う心臓を思い浮かべました。足が少ししびれているのに気付きました。動悸がするのはいつものことですね。肺が酸素を求めています。運動会で親を喜ばせようと必死に頑張る子供のように私の体は今この瞬間のわたしを生かそうと一生懸命なのかもしれません。そう思うと皮膚の下の赤い体が突然一瞬愛おしさにあふれました。一瞬の実感があったのです。



-彼女の話

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