彼女の話

”この人は結局ワガママなんだよ、自分が一番かわいくて一番大事なんだ”

投稿日:2017年1月18日 更新日:

彼女は人に好かれるのも苦手だ。
以前”この人は結局ワガママなんだよ、自分が一番かわいくて一番大事なんだ”と言われ、
彼女は全くもってその通りだと笑ってしまった。


なので彼女はあまり人に予定を合わせたり、何かの予約を前もって入れておく、ということも得意ではない。
いざその時になったら気が変わって嫌になってしまうことが多いからだ。
だから最初からそんな約束事はできるだけしないようにしている。


そんな社交性の低い彼女だが、それにも関わらず彼女はよく飲みの席に誘われてしまうのである。
それは彼女の「愛想のよい」「明るくて」「おもしろい」仮面の成果かと思われ、
彼女が来ないとおもしろくない、とまで言われてしまうことさえあるのである。
残念ながら彼女にとっては完全に副作用以外の何物でもない。
彼女は言ってしまいたい。
「みなさん、これは本当の私ではないのです!私はそんな人間ではないのです!すみません!でもどうか分かって!」


職場の仲良し同士で飲みに行く計画が上がり、彼女は当然不参加を伝えていたのだが
午前中に同僚Pが次の日出勤しなくてもいいから来いと誘いつづけ、午後にはUから来ないとつまらないじゃないかという旨の連絡があり、夜にはAからしつこいのは分かっているが本当に来ないのかとメールが入った。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」


嬉しくないわけではない。
でも困る、というほうが圧倒的に勝るのである。
それから申し訳ないと思う。
こんなに求められても応えられない自分をどうしていいか分からない。
むしろこんな時はみんなに嫌われてしまいたいとさえ思ってしまう。


そして彼女は今も困った顔で悩み続けている。
必要とされることを煩わしく感じる自分はどこからやってくるのだろう、と。
愛されることも嫌われることもどちらも引き受けられないワガママな自分を思い出して。



ワガママ

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

たくさんの話から

彼女の上司は大変いい人である。 色んな事を知っていて好奇心旺盛な人であり、腰が低く人脈が広い。 感性も鋭くよく気が利き、ユーモアに富み周りへの気遣いや配慮に溢れた人だ。 彼はおそらくHSPであるようで …

noimage

「嘘ってなんだろう」 彼女は嘘についてよく考える。 昔彼女は嘘は2種類あると思っていた。 黒い嘘と白い嘘ってやつだ。 「大人」になって、もう一つそのどちらにも分類できない 自分を守るための嘘があること …

noimage

彼女のペルソナ

彼女は「いつも100匹くらい猫かぶって生きてるから」と少し自虐的に笑う。 相手によっては「200匹になったり、10匹くらいになったりする」らしく 見ていても彼女はかなりうまく「猫をかぶって」いる。女優 …

noimage

彼女はまだ

彼女はまだ自分の気質についてよく知らない。 彼女はまだ自分の気質についてはじめて書かれた本を一度も読み終えていない。   これまでに3回読もうとしたが、果たさなかった。   1回目 …

noimage

ある朝

彼女はもう何年も飲まない日の方が少ない毎日だった。 飲みすぎることも時にはあったが、ほとんどは彼女の日々のささやかな楽しみであった。 ある朝彼女はいつものように目を醒まし、 いつものように布団から抜け …

優しい時間

2018/10/19

優しい時間

noimage

2018/09/18

アンビバレンス3

棚

2018/08/29

記事内の彼女の絵や写真。
2018年10月
« 9月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ