彼女の話

彼女の秘密

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彼女はついに絵も描かなくなってしまった。
動悸もするし、ひどく憂鬱そうにしている。
呼吸がしにくいせいで酸素が脳や体内に行きわたっていないのか、
四六時中眠気と闘っている。

だからといって横になってもきちんと眠ることはできないようで
ずっと頭は何事か考えているのが眠っていても分かるそうだ。
眠りたい、と彼女は言う。


思考のループにまた深くはまり込んでしまったようだ。
それは時には答えの出ない、そもそも答えなどないことであったり、
時には彼女自身がしっかりと向き合えば、答えがでたり決断できたりすることもある。

今回はどちらだろう。


彼女は秘密主義だ。
意図せずそうなってしまうのだが、
職場ではプライベートが謎の人間になってしまっている。
何かあっても親しい友人にも話さずにいることも多く、
後に聞いて「どうしてもっと早く話さないのか」と怒られたりしている。

今回彼女が何について考えているのか知らないが、
今回も彼女は誰に話すことも相談することもないだろう。
憂鬱であることも動悸がすることも本当は苦しいことも
誰にも言わないだろう。


僕はもう少し待とうと思う。

-彼女の話

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