彼女の話

彼女と絵 :柴田鋭一『せっけんのせ』

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彼女は今年”Art Calendar by Three Artist 2017”というタイトルのカレンダーを貼っている。
タイトル通り、3人のアーティストの作品が月替わりで印刷されている。

その中に柴田鋭一さんという画家の絵がある。
彼女は彼の作品が大変好きで、彼の目が一度目に留まるとしばらくそこから動かない。
5月は柴田さんの絵の月なもので、彼女はしょっちゅうぼんやり眺めている。


彼女は色を使わないから、彼の作品の色に惹かれるようだ。
それから彼の絵を見て、彼女は指頭画を描くようになった。
腱鞘炎が悪化してしばらくは点描画が描けないし、
点でなくても当分長時間何かを握る作業から遠のいている。
柴田さんは指頭画を描いているわけではないが、
そののびのびとした作品を羨ましがって、
彼女はできるだけぎゅいんぎゅいん自由に、指を黒や白でべちょべちょにしながら描く。

「ぜんぶぜんぶ塗りつぶしてしまいたくなる」

塗りつぶし終えると軽く呼吸が乱れている。
描いている間心が全力疾走しているか、息を止めているのかもしれない。


書き終えた自分の絵と、壁にぶら下がっている柴田さんの絵を交互に見比べて
なんだかなぁというように彼女は首をかしげて困っている。

-彼女の話

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