彼女の話

彼女とゴミ

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彼女は意外とエコな人だ。
彼女自身は貧乏性からくるものだと思っているようだが、結構地球に優しいのである。
(寒いというだけで心まで死んでしまう人なので、
冬は暖房がつけっぱなしになってしまうことを除けば、だが。)


その最たるところはゴミだ。
燃えるゴミは小さく結んだりできるものは結んでできるだけコンパクトにして捨てる。
彼女曰くゴミ袋を買うのがもったいないからできるだけたくさんゴミ袋に入れるためなのだそうだ。
以前はプラスチックゴミも分別できるところに住んでいたのが、
今は燃えるゴミに入れなくてはならず、彼女はいつももったいないなぁと思っている。
再利用しないのもゴミ袋がすぐにいっぱいになってしまうのも。


アルミ缶と紙ゴミは近くの小学校で収集しているので、
たくさん溜ったら持っていくようにしている。
そうでなければゴミとして捨てなければならないが、
何になるか知らないが何かになるなら持っていこうといつもまとめてとっておく。

紙ゴミにしても、封筒や納品書なんかは自分の個人情報部分だけわざわざ切り取ってシュレッダーにかけ、
残りの大部分はリサイクルとして出す。
菓子箱なんかの見ただけで分別が難しい紙は手でちぎってみる。
ちぎって表面にビニールがついてくればそれは紙ゴミといて再利用はできないのだそうだ。


トレーや牛乳パックも洗って近くの収集しているスーパーへ持っていく。
スーパーもどんなトレーでも収集しているわけではないから
リサイクルマークのチェックも余念がない。


割れてしまった食器や鏡なんかは新聞紙にくるんでデカデカと
「注意!割れたグラスです。」とか書いて貼っている。
燃えないゴミを分別する人たちだってケガをしないよう特別な手袋などはめているのだろうけど、
彼女は彼らが働く姿を、自分のゴミ袋を開いて、自分からのメッセージに目をやる彼らの姿を想像する。
「もう少し大きく書かないと急いで仕事をこなしている人は気づかないかもしれない」と
わざわざ書き直したりする。


彼女は毎日毎日ひとりしかいないのにゴミが出ない日はほんとにないなと辟易する。
捨てられるために生まれているようなゴミも時々ある。
彼女はときどきそんな存在を気の毒に思いながらそっとゴミ箱の底に置くのだ。

-彼女の話

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