彼女の話

エビ反りする彼女

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前回に引き続いて、次に訪ねたときは変わらず同じ背格好で彼女は横たわっていた。
もしやあの日僕が去ったあとからずっとそのまま一つの身動きもしなかったのではと
少し背筋が寒くなった。


確かに彼女は静かに横たわっているだけなのだが、
僕はなぜかその姿を眺めて赤ん坊を思い出していた。

彼らは時として自分を守る養育者に対してであっても
文字通り体をエビ反りにして、その全身全霊をかけて大きく拒否をすることがある。
あらんばかりの声と涙を出して、抱える人を拒絶する。

ぺしゃんこに潰れて黙る彼女から
彼女を抱え込む世界へ社会への声なきそして力の限りの忌避の爆風が僕の頬をかすめた気がした。



彼女は仕事を辞めたらしかった。


以前から辞めることになっていて辞めたのか、
突然辞めたのかはわからなかった。
いつ辞めたのかもわからないし、
僕が訪ねるまで彼女は一体どれくらいの間外に出ず、人と言葉をかわしていないのか
何もわからなかった。


最近調子がいいように思っていた。
それだけに今回はその落差が危うい。

-彼女の話

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