彼女の話

彼女と飲み会

投稿日:

昨夜は彼女の職場の飲み会があった。

 

彼女はいつだってできるだけ早く自分の城に帰りたいと思っているし、

何より人と長い時間接しているのが苦手だ。

彼女は飲み会が好きじゃない。

しかも一日中職場の四角い空間に押し込められ、強制的に人と接せられ(だって仕事だから)

内心あっぷあっぷしていた後なのだ。

もう帰りたいのだ。

 

ある時から彼女はできうる限り断ることにした。

嫌なことはやらないことにしたのだが、

以前まさか歓送迎会まで断った時は大変な勇気が要ったことだろう。

(さすがに僕はこの時、今後彼女が仕事がしにくくなる状況になるのではと心配した。

職場において歓送迎会は普通の飲み会とはちょっと違う。)

それでもその時の彼女はそれは絶対に「行けない」と怖がった。

社会人失格と思われようと、変人扱いされようと。

 

少人数であればまだ行けるときもあるが、

どんな飲み会であってもその後彼女は必ず泣く。

もう何が何だかわからないものが溢れ出して帰り道からしくしく泣きだしてしまう。

それはその長い一日に自分が周りから吸収したイメージとか音とか考えとか感情とか彼女のすぐそばで彼女を刺激して通り過ぎていったすべてのものをもう抱えきれずにこぼれ落としてしまうという感じだ。

 

これは何もそんな飲み会の夜だけのことではない。

人の多い場所に行ったあとや自分がとても楽しんだ、と思えた日にさえ起こりうる。

 

彼女はできるだけ日々を自分の小さな城で静かにすごすことで

なんとかバランスをとろうとしている。

いつもそうできればいいのだが、今のところはそうしている。

それはいつか変えられるかもしれないし、変わるかもしれない。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

優しい時間

優しい時間

彼女はここひと月ほどとっても長い夢を毎晩みている。 朝意識が起きると、何か6時間ほどの長い長い映画をみたような それでいて自分が異世界にいたかのような見事な浮遊感をもって目を覚ます。 目覚めたときの気 …

花がら

アンビバレンス2 ー花がら

HSPはとかく外界からの刺激に対する敏感さを挙げられることが多いが、 自分の内界からの刺激にもそれは同じである。 自分が作り上げた妄想世界を自分自身で衝撃的に拒否してしまったあとも、 彼女が完全にその …

noimage

女の価値観

彼女はいわゆるなんでも一人で自分でやってしまう人で、 いわゆる男性が守ってやりたくなるような「か弱い」女性ではない。 それどころかそういう「女」を嫌っている。 たとえば届かないところにあるものを、取っ …

noimage

それが問題だ。

最近の彼女はあまり考え込んではいないようだ。 やることがたくさんあるから考えこむ暇がないのである。 思考のループにはまって抜け出せなくなったとき、よく聞く提案。 運動をしろ、とか 好きな音楽を聴け、と …

彼女のカーテン

彼女のカーテン

彼女の部屋のカーテンは大体いつも閉じられている。   彼女の瞳の色は普通のひとより真っ黒だ。 髪の色も真っ黒だが、たぶん瞳はもっと黒い。 でも彼女は眩しく明るい場所が好きじゃない。 年を経て …

記事内の彼女の絵や写真。
2019年11月
« 10月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  
This error message is only visible to WordPress admins

Error: No connected account.

Please go to the Instagram Feed settings page to connect an account.

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ