彼女の話

どきどきする

投稿日:

彼女はときどき動悸がする。

甲状腺に軽い疾患があるためそのせいかもしれない。

一度始まると立ち上がるだけで息が上がるようになってしまうため

できればおさまるまで深くゆっくり深呼吸しながら横になっているのがベストだ。

 

どうしてもやらなければならないことがあって無理をして動いていると、どんどん頭が重たくなってくる。

手にも力が入らなくなり、瞼が目玉を半分以上覆うようになる。

頭を抱えたり、両手で顔をくしゃくしゃにこするような仕草をする。

目をこすったり、口を頬ごと大きく覆ったりする。

喉の奥を掴まれて下に引っ張られるような感覚になり顎が落ち込んでいく。

そして急速に強烈な眠気に襲われどちらにしても視界を黒くして横になることになる。

 

少量のアルコールでおさまるときもあり、100ml程度のグラスにワインを注ぐ。

 

(ペルソナを被っているとあまり動悸が起こることはないのだが)

職場や外出先ではその気配があるといつもバッグに常備してある小さな錠剤を飲む。

飲むとひどく眠たくなってしまう。

 

どきどきするたびに彼女は真っ黒に薄れていく意識の中で

「いったい何から逃げ続けているのだろう」といつも漠然と思う。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

・線アフォーダンス

腱鞘炎が未だ治まらず点をあまり打たなくなった彼女は以前より線を多く引くようになった。 線を描いているときの彼女はすごく伸び伸びしているように見える。 なんというかもう少し大きなスケッチブックに描いたら …

彼女と車

彼女と車

彼女は車の運転ができない。 免許を持っていないのだ。 今まで、ないならないでどうにかなるものでさして困ったことはなかったのだが 最近彼女はそろそろ免許をとろうか、と考えている。   運転しな …

noimage

彼女とLINE

彼女はLINEをやっていない。 できるだけ多くの人とつながらないようにしているのだから当然といえば当然だが、 まあ大体人はそれを聞いただけで彼女を少し変わった人だ、と思うだろう。   LIN …

noimage

彼女は昼寝をする。 あまり長くはしない。   誰でも昼間いくらぎゅっと目をつむっても光を感じるものだ。 彼女は少しの刺激にも反応してしまうので光にも敏感であり、 視界が明るく感じると眠ること …

noimage

彼女の影

最近ある人が鼻について小さなイライラになっている。 でもイライラしているのはその人にではなく自分自身にだと彼女は毎晩気づく。 職場で会うMはどうも要領が悪い。 その上機敏にも動けず、気が利かない。 声 …

記事内の彼女の絵や写真。
2019年5月
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ