彼女の話

(no title)

投稿日:2017年1月20日 更新日:

いつの頃からか眠りに落ちる間際に
時折ふぅっと決まったシーンが彼女のどこかをよぎるようになった。
それはこころかもしれないし、頭の中にかもしれない。

そこは真っ暗だ。
真っ暗な中に白い直方体がぼんわりと浮かび上がっている。
直方体であるらしいことは分かるが、その前方左側は闇に消え入るかのように薄くなっている。

その前にちいさな女の子がいる。
直方体と同じように白く浮かび上がっていて、服も白い。
直方体に寄りかかって立っていることもあるし、
背中を預けて両足を伸ばし座っていることもある。
座っていることが多い。
いつも俯いていて顔は見えない。

彼女のビジョンはそれらを、それらの右斜め上から覗き見ている。

以前は眠るときにしか浮かんでこなかったが、最近は眠れない時にもイメージするとすっと現れるようになった。
しばらく眺めていると体と顔が弛緩をはじめる。
そして自然と眠りに落ちるのだ。

眺めていても彼女は特に何も感じないし何も考えない。他には何も浮かんでこない。
彼女はただ見ているだけだ。





(2017.2.5追記)
とても疲れているとき、思惟の波にもまれたとき、このビジョンは見えない。
ただ暗闇の中に何とか存在しようと白い霧がうっすら見えるだけだ。

-彼女の話

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