彼女の話

結婚

投稿日:2016年12月20日 更新日:

彼女は結婚していない。
する予定もないし、する相手もいないし、するつもりもない。

結婚とは不思議なものだよなぁと彼女は思う。
たった一枚の紙切れに辿り着くまでに、
喜怒哀楽どころか希望とか目標とか不安とか安堵とかの感情に振り回され、
その一枚の効力を持続させるために、期待とか努力とか失望とか充足とかの
これまた忙しい感情に身を投げることになる。

考えただけで彼女はひどく疲れてしまう。
きっとそんな疲れも吹き飛ばしてくれるような何かが結婚にはあるんだろうな、
だからみんなするんだろうな、とそれが分からない自分をとてもさみしく思ったりする。





その人がいなくてもきっと自分は生きていけるだろうけど、
その人がそばにいたらもっと面白いことになるだろうな、
いつも一緒にいなくても。

というぐらいが彼女の(男女に限らず)理想的な人間関係のようだ。
そして相手もこれと同じ温度であることが望ましい。

だからそれは一種束縛の気がある結婚という形であってはならない。
そして依存であってはならない。

彼女はあくまで自分で立っていたい。
たとえその人の前で仮面をつけなくていいとしても、
仮面をたくさんかぶる自分もいてほしい。
一人になってしまったとき彼女はまたきちんと立ち上がりたい。







と、こんな風に彼女は
「もっともらしいことを言って、結局は自分のことしか考えていない」ので
ちっとも結婚に現実味を帯びることがない。








(2016.12.23追記)
僕は彼女と同じ世界の住人かまたは近しい存在か彼女の世界に理解のある人間であれば、
もしかしたら彼女が仮面を外して長い間一緒に時間を過ごせるのではないかと思っている。

-彼女の話

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