彼女の話

彼女とHSSと著作権と僕2

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彼女はクソがつくほど真面目で正義感が強くルールや秩序を重んじる。
正しくあろうと誰よりも目指しながら、でも人は正しいばかりではいられないと苦しむ。




今回の件について彼女は少しも悪くない。
僕は”HSPあるある”のページを引っ込めた。
そしてアメリカ本家へ引用許可願いのメールを送った。
2つやっても10分もかからない作業を僕は怠慢で放置していただけだ。
それは彼女の言う通り無視されていいものではなかった。


彼女は正しかった。でもそれと同時に彼女は僕を分かっているのだ。
この人はどうすべきか知っている、ただ人間的な理由でしなかったのだ、と。

彼女はきっと僕に言い放ったことで深く深くどこまでも深く思い悩んでいるだろう。
あの時の僕の一挙手一投足、感情から表情に受け継がれたシワの動きや瞳の微細な震え、
その下に埋もれた僕の情動を正確すぎるほどにすくい取ってあの時の僕以上にそれらを抱え込んでいるだろう。
そこにある僕の人間らしいイラつきや怠惰や疲れとかいう現実問題なんかに本当は気付いているから。


正しさと人間らしさに挟まれた彼女はだんだんと自家撞着に陥っていく。
衝動と繊細、論理的思考と直観、本質を見破る鋭利な観察眼と温かで柔らかな良心。
たくさんの大きな壁のすき間で今彼女は座り込んで泣いているんだろう。
いつもこうだ、と。



彼女は以前に言っていた。
「すごくすごく小さな存在が気になるのに誰かが乱暴に激しく私を揺さぶる。起きろ!!って」
「とてもきれいな模様の水風船の中のあの少しの水なんだよ。
その模様のきらめきを楽しんでいるのに突然バフバフはじかれたり叩かれたりして小さな球の中の大海原になる」



恐らく彼女は今思考の渦にいる。
人を傷つけたり不快にさせたりする正しさって何だったんだろう。
自分は言わなくてもいいことを言ったんだろうか。
言わなかったらどうなっていただろう、自分の思う正しさは良心はどうなっていただろう。
正しさって何だろう、良心ってなんだろう。
分かることが一つもない・・・苦しい苦しい。

人が彼女の頭の中を覗けたらこういうだろう。
そんなことは受け取り手の問題だ、人は大抵図星を当てられたら腹が立つ、それだけだよ。
気をつけなければならないのは言い方、伝え方だよ。

正しい、それは確かに正しい。
正しいのに気持ち悪い。
だって人は正しいばかりでは生きられないから・・・



さあここまできたら、また一行目に戻って読んでほしい。
ここまで来たらまた一行目に戻って。
それを延々繰り返して。
疲れ果てて眠れたらラッキー、でもこの思考ループにハマってしまったらどうぞ明日の朝まで。


これが彼女の日常だって想像してみて。



-彼女の話

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