彼女の話

投稿日:2017年3月2日 更新日:

「嘘ってなんだろう」
彼女は嘘についてよく考える。


昔彼女は嘘は2種類あると思っていた。
黒い嘘と白い嘘ってやつだ。
「大人」になって、もう一つそのどちらにも分類できない
自分を守るための嘘があることを知った。


小さいころ彼女は
「嘘はみんなに嫌われている。嘘かわいそう」と思っていた。
白い嘘も黒い嘘も結局はみんな悪者にされてしまう。
嘘は誰かを何かを守る盾になってくれているのに、と。
彼女は成長するにつれてそれらの区別がつくようになった。

ついてはいけない嘘と
つかなければいけない嘘と
ついてしまう嘘。


彼女はよく嘘をつく子供だった。
小学生のころまで続いたと思われる。
そうしなければ生きていけないと心のどこかで思っていた。
だから嘘は考えなくても出てきた。
嘘はいつも彼女を彼女の何かを守っていた。
この癖は友人Nに会うまで続き、その後もしばらくはなかなかやめることができなかった。
いや、最近でもまだ彼女をかばおうと喉から勝手に出てきそうになることがある。


彼女は嘘をどう扱っていいか分からない。
矛盾しているようだが、彼女は正義感が少し強すぎる。
嘘をつくことは少なくなったが、
嘘をつかれると果てしなく不快に不機嫌になる。


嘘つきは嫌いだ。
でもそこにはいつも理由があることも知っている。
だから嘘とどう接していいか分からない。

-彼女の話

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

たそがれ

たそがれ

彼女が一日の中で一番すきな時間はたそがれ時だ。 早朝の「キリっとパリッとした空気」も好きだが(彼女は早起きが苦手だし)、 その日一日あつく熱された世界を静かに穏やかに落ち着かせようとするあの時間には変 …

noimage

ふきとぜんまい

彼女は先日見知らぬ人からふきとぜんまいの煮びたしをもらった。 見知らぬ人と言っても、道で会った人ではなくて、 知り合いを通して知り合いの知り合いからもらったのだ。 (なんだか余計分かりにくいが。) ( …

消えた『群集の中の孤独』

消えた『群集の中の孤独』

彼女は最近彼女にしては頻繁に人ごみの中へ出かけている。 用があって出ているのだが、久しぶりに雑踏の中へ出かけて新鮮味があるようだ。 彼女は萩原朔太郎の『群集の中に居て』という詩がとても好きだ。 都会へ …

3月10日

3月10日

3月9日と3月11日に挟まれた3月10日。 3月9日と3月11日には毎年思うことがあるけれど、3月10日にはない。 彼女はそれを少し不思議に思っている。 これまでも忘れているだけで3月10日にも何かあ …

noimage

彼女の秘密

彼女はついに絵も描かなくなってしまった。 動悸もするし、ひどく憂鬱そうにしている。 呼吸がしにくいせいで酸素が脳や体内に行きわたっていないのか、 四六時中眠気と闘っている。 だからといって横になっても …

優しい時間

2018/10/19

優しい時間

noimage

2018/09/18

アンビバレンス3

棚

2018/08/29

記事内の彼女の絵や写真。
2018年10月
« 9月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ