彼女の話

イニシャルドリーム2

投稿日:

彼女は訪れたこともない外国にいた。
見慣れない家の、親しみのない玄関で、
強引に押し入ってこようとする数人の異邦人を何とか入れまいと
ドアノブを握りしめていた。
彼らは全員男性だった。


いやだ、こわい、と恐れる一方で、
彼女はどこかその状況を楽しんでいた。
少し笑みさえ零したような記憶すらある。



目覚めたとき、彼女は怖い夢をみたなぁと思いながら
すんなり体を持ち上げた。
彼女の目覚めにはつきものの、吐き気や頭痛や倦怠感などの不快感はなかった。



彼女が父親の死を知ったのはその数日前か数日後だった。
その時はすでに彼が死んでひと月が経とうとしていた。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

彼女と陰口

職場というのは時に陰口の宝庫となりうる。 彼女の職場も残念ながら例外ではない。 彼女は陰口というのは色んな人の分かりやすい価値観の集まりであるな、とつくづく思う。 「それは本当におもしろくて、いいかげ …

noimage

ミルクと牛乳

余談だが、ここで彼女になぜミルクなのかと尋ねられた。 牛乳ではいけないのか、というのだ。 僕はそこはそんなに重要ではないと話した。 彼女は眉をひそめた。 言葉を使うのにシャレづくなというのである。 ハ …

noimage

背徳感と新しい彼女

世の中にはやってはいけないことがある。 倫理とか道徳とか約束とかルールとか法律とか友情とか そういうものに背くようなことはやってはいけないのだ。 やってはいけないことは、やってはいけない。 約束は守ら …

今ここ

今ここ

彼女が引越しをした。 久しぶりに行ってみたら人がいない物件にかけられる例の水道局の袋がドアノブにひっかかっていた。 水滴に目とか鼻とか乗っけてある、よくあるあのイラストがゆらゆら風に揺さぶられていた。 …

noimage

におい

彼女の鼻は大抵詰まっている。 なので匂いにはそんなに敏感ではないはずなのだが、 そんな時でもやたらと気になる匂いというのがいくつかある。 まず決して受けつけないのはタバコの臭いだ。 これはいついかなる …

記事内の彼女の絵や写真。
2019年11月
« 10月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  
This error message is only visible to WordPress admins

Error: No connected account.

Please go to the Instagram Feed settings page to connect an account.

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ