彼女の話

彼女のおでかけ

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彼女は実は結構服が好きだ。
あまり出かけることがないので持っていても出番はないだろう、と買わないことが多いのだが、
クローゼットにある服はどれも気に入っている。


ただし彼女の深く深く考える癖はこういう時にも異常に露出してしまう。
まず彼女はもちろん着たい服を選ぶのだが、
それと同等に重要視されるのが体感温度だ。

出かけるときは天気と気温は必ずチェックするのだが、
いくら体感気温がネットに載っていようとも実際に出掛けてみなければ
彼女自身の体感気温は分からない。
これは外出先で彼女が体調を崩さないために一番気をつけていることだ。
寒ければすぐにお腹が痛くなってしまうし、暑かったら暑かったで汗で体は冷えてしまう。

だから彼女はすごく迷う。
何を着るか、それじゃあ寒すぎるのか暑すぎるのか
着ぶくれてしまわないかカイロを貼った方がいいか
たくさん歩くからあの靴でなければだめだ、
荷物が増えるだろうからリュックでいたいが、それじゃあこの服にも靴にも合わない。
でも今日はこれがどうしても着たいのだ!


恐ろしいことにこんな押し問答を彼女は一人で2時間ほど続けることもある。
あれもこれも身に着けてみてひとりファッションショーを敢行するのだ。
ときどき彼女は自分でもいつまでたっても決められないことにイライラする。

結果服や小物で溢れかえった部屋は大分悲惨なことになるが、
それでも納得して出かけなければ自信をもって街中を歩けない気がするし、
たまにはそういう自分でいたいのだ。


彼女の服の好みは少し変わっている。
意外と派手で変わった柄が好きだから
無難なコーディネートでも個性的な格好をしている。
彼女はかなり大きな街へ出て行くときほどこういうスタイルで出かける。
その後ろ姿は彼女が”ありのままの彼女”という鎧を着て出かけているようにも見えるのだ。


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