彼女の話

(確固)

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彼女は自分がどうしてこんなにもゆらゆらしているのかずっと気になっていた。
最近『民衆の敵』というドラマをみてそれがなんなのか少し分かった気がした。
彼女には確固がないのである。


『民衆の敵』には様々な人間が登場した。
政治家、主婦、主夫、ジャーナリスト、様々な立場の市民、子供たち。
それぞれがそれぞれの確固たる何かをもって衝突する。
信念、信頼、愛、欲望、希望、庇保、金、順守、目標、、、

彼女はなんだか分からない温度差をもってみていたが、
急に自分にはそれが一つもない、と気付いた。
迷ったり傷ついたりしたとき自分がいつまでも這い上がれないのは
「でもそれでも自分は絶対にこうだみたいな」ものがないからじゃないか、と。
だからゆらゆらしているんじゃないか、と。


今まで彼女は自分にも人並みにそういうものがあるはずだと思って生きてきた。
でも過去を振り返ればただ事実だけが無数に転がっている。
結果としての行動や決断があるだけだ。
そこに自分の何かが残っているかと目を皿にしても、
言ってみれば”確固みたいなもの”たちが横たわっているだけだ。


これが一番大切なのだと思えるその確固たる力が
彼女は今無性にほしい。

-彼女の話

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