彼女の話

ダウンタイム

投稿日:

彼女には最近生活の変化があって、あまり仕事をしていない。
もちろん収入は減るが彼女はときどき食べるために働くことをやめて
心や体をリセットでもさせるようにダウンタイムを人生の端々で設けている。

出勤した日にひき籠るために必要なものは買いそろえてくる。
だから突然用が湧き出てこない限り外に出ない。


仕事はしていなくてもやることは実は多くある。
勉強とか半端になっている読書とか、日頃仕事をしていると溜っていってしまうコザコザとか。
でも下手に時間がたくさんあるため、いつでもなんだってできると大きな気分になってしまい、
どうでもいいようなことばかりが楽しくなってしまう。
ダウンタイムなのでそれでいいような気もするが、「人間はどこまでもダレていく生き物」。


自分のぐうたら具合に不安を抱いた彼女は
最近1日1つTodoリストをこなすように努めている。
月初めにいつもリストを手帳に書きこめど、大体3分の2は翌月に持ち越される。
なのでこのダウンタイムを利用して一掃を目指している。
心も体もやることリストもリセット。


しかし1日1つ以上しないのが彼女なのである。
衣替えなんていう大仕事をこなした日もあれば、
封書を一通出すだけでその日のノルマは終わりにしてしまうこともある。
面倒くさいのだ。


そしてこれは今回のダウンタイムで初めて感じたことだが、
3日半丸々出勤しなかった時、彼女は誰かと話したい、とふと思った。
普段そんなことをしないので、急に誰かと話したいと思っても
誰にも会えないし電話も出来ない。
彼女はふってわいた自分の人恋しさに驚いた。

仕事は人と話をしないといけないからあまり好きではなかった。
どんな仕事でもそうだった。
でも今は一人でいる時間が長いと仕事に行きたいような気がしてくる。
彼女は今回のダウンタイムは少し短めに切り上げようと思っている。


やっぱり彼女の中で何かが少しずつ変わり始めているのだ。


-彼女の話

執筆者:

関連記事

だれかのことを思うとき

だれかのことを思うとき

今朝彼女の家には佐川急便やら郵便やらが入れ替わりたち替わりやってきて 大中小の箱をそれぞれ置いていった。 12月25日の朝、誰かから彼女へのクリスマスプレゼントだ。 彼女はみんなきちんとパーフェクトな …

彼女と酒

彼女と酒

彼女は酒が好きだ。 飲み会は嫌いだが、ひとりで飲むのはとても好きだ。 昔は平日も仕事の後の楽しみに発泡酒を1本飲んでいたが、 知り合いにノンアルコールをすすめられて以来、平日はALL FREEで事足り …

noimage

『鑑定士と顔のない依頼人』

『鑑定士と顔のない依頼人』(The Best Offer、2013) ネタバレ注意 この間彼女は放心したような興奮したような様子で観た映画のエンディングについて話し出した。 とてもとても美しいラストシ …

彼女の隣人

彼女の隣人

彼女の城の隣では最近何か変化が起きたようだ。 時々宅配のおにいさんがピンポンを鳴らしたりしていたから 誰か住んでいるのは確かなようだった。 2,3ヶ月前まで隣人はおそらくほとんど帰っていないか、 もし …

noimage

彼女を包む音

引越しをして彼女は色んな音に耳を傾けるようになった。 近くに川や木々が多くあることで、鳥が多い。 色んなさえずりが聞こえてくる。 時々は雨どいをトントン跳ねながらぴーちく言っている。 その足音はなんと …

記事内の彼女の絵や写真。
2019年8月
« 7月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ