彼女の話

嫌い

投稿日:2017年2月3日 更新日:

好き嫌いが激しい彼女の、今日は嫌う話だ。

誰でもときどーき会うことになる”どうも合わない”と困ってしまう人というのがいる。
生理的に受け付けない、というやつだ。

試しに今”生理的”を辞書でくってみたのだが、生理的とはこうだ。

3感覚的。本能的。肉体的。「-嫌悪」
引用:広辞苑第五版 岩波書店

これはもうどうしようもないじゃないか。
(ちなみに他にも二つほど他の意味が載っていたが、ここでピッタリくるのはこの意味だろう。)

彼女の職場に新しい人がやってきたのだが、彼女は最近この人に困っている。
どうも、だめなのだ。

これまで彼女が共通して”生理的に受け付けなかった人”には男女ともにある程度の共通点がある。
「よくしゃべる人」だ。
でも言ってみたらNもかなりよくしゃべるのである。
もっと言えば彼女も決して寡黙な方ではない。気が置けない相手ならよくしゃべる。

何が違うのか、話し方なのか話す内容なのかとにかく分からないが、
とりあえず、今回彼女が困っている人は「こちらが1話すと5も10も返してくる人」なのである。
彼女はその人が一方的に大量に一生懸命まき散らす迫力だか感情だかについていけない。
ものすごく疲れてしまって、その話し方も内容ももうすべてどうだってよくなってしまうのである。

その人がやってきて数か月がたとうとしている。
ハッキリ言って別にこの人は悪いひとではないのだそうだ。
むしろいい人のようにも見えるし、うまくやっている同僚もいる。
とにかく関わらないわけにはいかないので、彼女はなんとか仮面をたくさん用意して向き会おうとする。
大人って面倒だな、と思う。

そうして必死に接していたとき、その人は無邪気に”いやぁ、あなたには嫌われているのかと思っていました!”と言い放たれた。
ガーン!!と頭をカチ割られたような衝撃でもって
「嫌っていないとも言っていませんけど・・・」
と口から出そうになるのを必死でこらえて、自分の仮面のかぶり方はまだまだ甘いのだろうか、いや、この場合はむしろボロが出た方が楽なのだろうか、と混乱させられるこの種の人たちにまた一段と警戒心を抱かざるをえない彼女なのである。

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

彼女と誰か

彼女は唐突に気づいてぎょっとした。 ちょっと待て。 だれかいる。 一体自分は誰なのか、どれが自分なのか、という問いに彼女ははからずもがんじがらめになっている。 ただ、少なくともその”自分”たちをある程 …

noimage

探しもの

彼女の同僚の財布が消えた。 帰宅後連絡を受けた彼女は探すのを手伝いに職場に戻った。 見つからなかったらいけないので、失くした彼のために急場しのぎの数万円を財布に入れた。 まずはみんながパニクっているの …

デジャヴ

デジャヴ

彼女のデジャヴはすべて「確かに夢でみたもの」だそうで 彼女はそれがいつ頃みた夢であったかも憶えている。 デジャヴとなった夢の中では感情はなく「何を考えても思っても感じてもいない」。 さらには「どうして …

彼女と花

彼女と花

彼女は花が好きじゃない。 唯一心を許せるのはかすみ草だと思われるが、実はそれもあまりよく接したことはない。 彼女は自分の城のベランダにプランターをいくつか置いていて、 ハーブの花が咲いたときはああ、咲 …

noimage

咬みしめる彼女

先日歯医者に行って撮られた自分の歯を見た彼女は仰天した。 歯にヒビが入っていたのである。それも1本ではない。 彼女には咬みしめる癖がある。 歯医者によると、咬みしめの力は自分の体重ほどもある。 そのエ …

優しい時間

2018/10/19

優しい時間

noimage

2018/09/18

アンビバレンス3

棚

2018/08/29

記事内の彼女の絵や写真。
2018年11月
« 10月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ