彼女の話

彼女のカーテン

投稿日:2016年11月19日 更新日:

彼女の部屋のカーテンは大体いつも閉じられている。

 

彼女の瞳の色は普通のひとより真っ黒だ。

髪の色も真っ黒だが、たぶん瞳はもっと黒い。

でも彼女は眩しく明るい場所が好きじゃない。

年を経てかけられるようになったサングラスは

冬以外はできることならずっとはめていたいと思っている。

パソコンやスマホの明るさもかなり低く設定されている。

 

明度の高い対象を見たり、そういう場所にいるときの彼女の目はほとんど開いていない。

ときどきうっすらと開けてその瞼の間から行く先を覗いている。

 

長い時間その中にいると瞼が痛み頭痛がしてくる。

 

カーテンを全部開放するのは雨の日。

だから彼女は雨の日をきらいになれない。

雨が降っていても彼女の部屋は晴れた日より明るく広くオープンだ。

しくしく地面に落ちるその音も心地いい。

だから彼女はいつも休みの日はできるだけ晴れていないければいいと願っている。

 

彼女のカーテン

-彼女の話

執筆者:

関連記事

noimage

抗えないもの

彼女は自分の体の異変を認めざるを得なくなってきた。 頭痛に悩まされているのは以前からだが、それ以上におかしいのだと呟いた。 少し不安気だった。 朝目が覚めたとき、脳がとけてスライムになったようにドロリ …

noimage

彼女のバイブル

彼女はすごくよく笑う人である。 微笑むとかではなく、声を上げてよく笑う。 とにかく何を言ってもよく笑うので、 人からお笑い偏差値が低すぎると言われたこともある。 これは彼女があまりテレビを観ないことに …

noimage

トリガー

”やりたいことがない”という人は意外なほどたくさんいる。 彼女は知っている。 昔は自分もそうだった。 「本当はアレもコレもやりたい。でも現実的ではない。だからできない」 結果”できることがない”と”し …

たそがれ

たそがれ

彼女が一日の中で一番すきな時間はたそがれ時だ。 早朝の「キリっとパリッとした空気」も好きだが(彼女は早起きが苦手だし)、 その日一日あつく熱された世界を静かに穏やかに落ち着かせようとするあの時間には変 …

noimage

暖房便座と彼女の熱量

彼女はフローリングの床の上に文字通り転がっていた。 「真冬の立体駐車場のコンクリートの上に転がっているみたいだ」と呟いた。 「今日はすごく寒いね」 真夏ほどではないにしても外気温はまだ30度近くある。 …

記事内の彼女の絵や写真。
2019年5月
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ HSPへにほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へにほんブログ村 美術ブログへ