彼女の話

彼女のカメラ

投稿日:2017年1月27日 更新日:

彼女はときどき写真を撮るが、そのカメラがハッキリ言ってくそだ。

学生時代彼女はコニカミノルタのものすごく古い一眼レフカメラを使って撮っていた。
その頃はもうデジカメもあったが、彼女はわざわざ白黒フィルムを買ってそのカメラにはめ込んでいた。
今そのカメラでそのフィルムで撮ったモノクロ写真を見ると、加工されたモノクロ写真との違いをハッキリ見てとれる。
もう30~40年もしくはそれ以上前に発売されたカメラではなかったか。

彼女がなぜそのカメラを使わなくなったかといえば、理由は単純、壊れたからである。
もらった当時でさえ、やっと撮影できる、という程のカビが生えていたり、
不調はしょっちゅうであったが、ついにある日シャッターが切れなくなった。
当時は修理する資金もなく、しばらく置いていたが引っ越しを繰り返すうちに気付いた時には撮られた大量の写真と共に行方が知れなくなってしまった。
彼女は今なら修理できるかもしれないのにな、とときどき思い出す。


しかしそれと同時に彼女は実は何で撮るかはあまりこだわっていない、ということにも気づく。
コニカミノルタのカメラは確かに好きだったが、その性能とかそれが生み出す情緒的な写真というよりも、
単に彼女は古いものが好きなのである。

こだわらない彼女は今何で撮っているかというと、
しょっちゅう電源が落ちるようになってしまった約10年前に買ったデジカメか、安いスマホのカメラだ。
彼女は通信手段としてしかスマホをみていないので、それに付随するカメラの性能などより本体価格重視で買っている。
それくらいカメラはどうでもいいようなのである。

僕はせめてiPhoneにすればいいのにと思うのだが、
撮りたいものが今もっているもので撮れなければ、それはそれでその刹那で終わるもの、それだけだという。



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