「 月別アーカイブ:2017年03月 」 一覧
-
-
2017/03/30 -彼女の話
彼女はざわざわすると言って落ち着かないことがある。 それは「心臓がいつもの場所から2cmほど重く浮かんだり沈んだりしている」感じだという。 動悸がする。 眉間にはずっと力が入ったままになる。 ときどき …
-
-
2017/03/29 -彼女の話
彼女は、たとえば誰かがしあわせになれることで、 それと引き換えに自分が生まれて来ないことになったとしてもそれでよかったのに、と思っている。 彼女は、どんなに悪いことが起こったとしても最後は必ず良いほう …
-
-
2017/03/28 -彼女の話
彼女はいわゆるなんでも一人で自分でやってしまう人で、 いわゆる男性が守ってやりたくなるような「か弱い」女性ではない。 それどころかそういう「女」を嫌っている。 たとえば届かないところにあるものを、取っ …
-
-
2017/03/27 -彼女の話
彼女はなかなかの倹約家だ。 もったいない精神とムダ嫌いの魂をもつ。 彼女は普段かなり質素に暮らしている。 特に欲しいものもなく、ブランド物にもあまりステータスを感じない。 だから通常お金を使うことと言 …
-
-
2017/03/26 -彼女の話
彼女は薄口を好む。 なんにしても濃い味付けはあまり受け付けない。 自分で食べるだけの時はほとんど味付けは塩だけで済ませる。 あとの調味料は酢と酒、ごま油が好きだというくらいだろうか。 塩だけで済めばそ …
-
-
2017/03/24 -彼女の話
コラージュとはチラシとか雑誌とか新聞とかの切り抜きや、 麻布とか糸とか針金とかを紙やキャンパスに貼り付けられてできる作品たちのことだ。 誰でも一回くらいはみたことがあると思うのだが、 自分の好きなもの …
-
-
2017/03/23 -彼女の話
彼女はついに絵も描かなくなってしまった。 動悸もするし、ひどく憂鬱そうにしている。 呼吸がしにくいせいで酸素が脳や体内に行きわたっていないのか、 四六時中眠気と闘っている。 だからといって横になっても …
-
-
2017/03/21 -彼女の話
彼女は最近ひどく不安定だ。 ゆらゆらしているのに、口は貝のようにしっかりと固く閉ざされている。 誰にでも憂鬱になるときはある。 僕はただ待つしかない。
-
-
2017/03/18 -彼女の話
彼女の海底には木箱が沈んでいる。 木箱は古い鉄の錠がついていて、鎖が巻かれている。 これは彼女が以前に医者に言われて沈めたものだ。 木箱の様子はときどき変わる。 太陽の光が差し込んでゆらゆらと明るく見 …
-
-
2017/03/17 -彼女の話
世の中にはやってはいけないことがある。 倫理とか道徳とか約束とかルールとか法律とか友情とか そういうものに背くようなことはやってはいけないのだ。 やってはいけないことは、やってはいけない。 約束は守ら …
-
-
2017/03/14 -彼女の話
沿線生活はいつまでたってもうるさいことに変わりはなかったが、 しばらく住んでいるうちに彼女はいろいろな線路沿いの風景をみた。 撮り鉄と呼ばれる人々を見たのもここでだった。 そばの踏切や彼女のアパートの …
-
-
2017/03/13 -彼女の話
彼女は昔お金がとてもなかったとき、 線路沿いの安いアパートに住んでいた。 すごく安かったけど、すごくうるさかった。 騒音や刺激に打たれ強い人だって線路沿いの部屋は安くても避ける。 だれだって静かな生活 …
-
-
2017/03/12 -彼女の話
彼女は意外とエコな人だ。 彼女自身は貧乏性からくるものだと思っているようだが、結構地球に優しいのである。 (寒いというだけで心まで死んでしまう人なので、 冬は暖房がつけっぱなしになってしまうことを除け …
-
-
2017/03/10 -彼女の話
3月9日と3月11日に挟まれた3月10日。 3月9日と3月11日には毎年思うことがあるけれど、3月10日にはない。 彼女はそれを少し不思議に思っている。 これまでも忘れているだけで3月10日にも何かあ …